玄関鍵のトラブルでは、鍵が何かに引っかかって重い・回し辛い。回らなくなり開錠出来ない。といったご相談が多数寄せられます。「何かが引掛かって重いのだから摩擦を減らせば良いのだろう」と考え潤滑スプレーを鍵穴に吹きつけられたことがあるかもしれません。この考え方は正しいとも言えるのですが、吹き付ける潤滑剤が問題になることがあります。プロの鍵屋は鍵用の潤滑剤を修理に使用します。これはホームセンター等で入手可能ですので、ご家庭に1本用意しておくことをおすすめしたいと思います。では一般的な潤滑剤と鍵専用の潤滑剤は何が違うのでしょうか？鍵用の潤滑剤は揮発性が高い液体になっていて中に油分が残りにくいものになっていることです。

シリンダー状の中は非常に精巧な部品で出来上がっており、ここの所増えてきたディンプル錠（ギザギザタイプではなく丸いくぼみが刻印されたタイプの鍵）やよりセキュリティ性能の高いアンチピッキング対策を施された鍵ではその精密さは更に顕著になります。このような精密部品にホコリやごみが入ったらどうなるか考えてみてください。鍵穴に油分が残っているとホコリやごみを油分が捉え鍵穴の中に蓄積していきます。ごみと一緒に鍵が鍵穴内を動くことを繰り返し内部部品のズレや摩耗が進んでいきます。このように鍵穴は徐々に消耗し開きにくくなり最終的に開けることができなくなるのです。鍵が開きづらくなる理由は非常に繊細なものですから、鍵と鍵穴を常に綺麗にしておくことが肝心です。鍵が汚れてきたなと思ったら綺麗に拭いてごみやホコリを取ってください。細かいサビは早めであれば使いふるしの歯ブラシでこすって綺麗にします。鍵穴の清掃はドアノブを外して行う必要がありますが、ノブの取り付けネジをはずし、丸座を外し中のシリンダーを取り外して掃除機やエアダスターでごみを吹き飛ばします。ご家庭の鍵がどのような状態なのかにもよりますが、ご自身で行う自信がない、やっては見たが代わり映えがしないということであれば、鍵のプロが状態を判断し的確な修理・交換を行いますのでお気軽にお申し付けください。